3分でわかる寄席演芸

2023年8月21日

寄席演芸に関する疑問や質問をQ&A形式でざっくり解説します。

Q.寄席演芸って何?

A.江戸時代以降に発展した、寄席で演じられる芸能のことです。

「寄席演芸」とは、「寄席」(よせ)で演じられる芸能の総称です。「大衆芸能」ともいいます。
江戸時代の後半になると、「落語」(らくご)や「講談」(こうだん)といった話のうまさで人をひきつける芸能が盛んになります。
これらの芸能を主に上演するのが「寄席」で、人を寄せ集める場所なので「よせ」と言います。
「寄席」では話の芸の他に曲芸などさまざまなジャンルの芸能を上演するようになり、本サイトではこれらを総称して「寄席演芸」と呼んでいます。

Q.落語と講談の違いは?

A.落語は笑い話を語り、講談は歴史物語を読むことから始まりました。

落語は、主に面白い(滑稽な)話を基本とし、人々を楽しませる芸として育ってきました。
一方、講談は、歴史(軍記)物語を読み聞かせることから発展し、人々の興味を引き付ける芸として育ちました。
落語は柔らかく、講談は堅い印象が強いですが、長い歴史の中で落語と講談は互いに交流し合い、落語と講談双方で演じられる演目も沢山あります。

Q.浪曲とはなんですか?

A.大阪で発達した「浪花節」を元祖に持ち、明治以降に急速に発展した三味線を伴奏に「唸る」芸能です。

浪曲とは、三味線とともに泣き笑いのストーリーを聞かせる芸能です。浪曲師が語り聞かせることを「唸る」(うなる)といいます。
浪曲の基礎は大阪で発達した「浪花節」(なにわぶし)で、笑いや涙を誘う題材を語って聞かせます。
明治時代以降にラジオやレコードを通じて急速に普及しました。

Q.落語や講談、浪曲以外に演じられる芸能とはなんですか。

A.太神楽曲芸、紙切り、音曲、漫才、コントなどがあります。

寄席で演じられる芸能のうち、主な芸として演じられる「落語」「講談」「浪曲」以外の芸を総称して「色物」(いろもの)と言います。
「いろもの」と呼ばれる理由は、寄席の内外に飾られる演者の文字が赤色で書かれていること、また寄席を飾る「いろどり」であるからと言われています。
現在寄席で演じられる「色物」には、物を投げたり回したりして人目をひく「太神楽曲芸」(だいかぐらきょくげい)、物の形を短い時間で切り抜く「紙切り」(かみきり)、
三味線や楽器の演奏技術の高さを魅せる「音曲」(おんきょく)、調子のいい会話で人を笑わせるテレビでもおなじみ「漫才」(まんざい)、
小道具を使いながら面白い演技で笑わせる「コント」などが行われています。

Q.寄席演芸はどうやったら観られるの?

A.常設の寄席のほか、ホール落語、地域寄席などがあります。

落語を主に演じる民間の寄席は、東京に4つ、名古屋に1つ、関西に2つあります。
東京と関西のものはほぼ毎日営業しており、これを定席(じょうせき)といいます。
定席での公演は一部前売りされることがありますが、基本は当日自由席で、現地で現金払いです。
通常公演は団体以外予約できませんので、満席「札止め」(ふだどめ)だった場合はまたの機会に訪れてください。
そのほか、有名なホールを使って有名な芸人が登場する「ホール落語」、各地でボランティアのように運営されている「地域寄席」などがあります。

Q.ドレスコードが不安なのですが。

A.普段着の人が大半です。

初めての寄席では服装が気になるかもしれませんが、大半の人は普段着で来場しています。
かつては町内に一軒はあったという寄席ですので、普段着で観られる芸能です。
落語家や講談師などは綺麗な着物を着て舞台に上がりますので、それに合わせて着物や浴衣を着るのも風情があっていいでしょう。

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