令和五年七月場所・中日を終えて
2023年7月17日
このページでは、令和五年七月場所(名古屋場所)の中日(8日目)までの星取表と前半戦の結果と今後の展望について解説します。
※本ページでの星取表は東西を分ける伝統的な記法とは異なり、インターネットでの可読性を考慮したレイアウトで掲載します。
※凡例:○=勝ち、●=負け、□=不戦勝、■=不戦敗、や=休場
幕内星取表
四股名 | 番付 | 勝敗 | 初 | 二 | 三 | 四 | 五 | 六 | 七 | 八 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
照ノ富士 | 東横綱 | 1勝3敗4休 | ○ | ● | ● | ■ | や | や | や | や |
貴景勝 | 東大関 | 0勝0敗8休 | や | や | や | や | や | や | や | や |
霧島 | 西大関 | 2勝4敗2休 | ■ | や | や | ○ | ● | ○ | ● | ● |
豊昇龍 | 東関脇 | 7勝1敗 | ○ | ○ | ● | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
大栄翔 | 西関脇 | 6勝2敗 | ○ | ○ | ○ | ● | ○ | ● | ○ | □ |
若元春 | 西関脇2 | 6勝2敗 | ○ | ○ | ● | ○ | ● | ○ | ○ | ○ |
琴ノ若 | 東小結 | 5勝3敗 | ○ | ● | ○ | ● | ○ | ○ | ○ | ● |
阿炎 | 西小結 | 4勝4敗 | ● | ○ | ○ | ○ | ● | ● | ● | ○ |
錦木 | 東前頭1 | 7勝1敗 | □ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ● | ○ |
翔猿 | 西前頭1 | 4勝4敗 | ● | ● | ○ | ● | ○ | ○ | ○ | ● |
正代 | 東前頭2 | 2勝6敗 | ● | ● | ○ | □ | ● | ● | ● | ● |
御嶽海 | 西前頭2 | 1勝7敗 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ○r | ● |
翠富士 | 東前頭3 | 2勝6敗 | ● | ● | ● | ● | ○ | ● | ● | ○ |
明生 | 西前頭3 | 4勝4敗 | ○ | ○ | ● | ● | ● | ● | ○ | ○ |
朝乃山 | 東前頭4 | 4勝4敗 | ● | ○ | ○ | ○ | ● | ○ | ● | ■ |
宇良 | 西前頭4 | 4勝4敗 | ● | ● | ○ | ○ | ○ | ○ | ● | ● |
平戸海 | 東前頭5 | 3勝5敗 | ○ | ● | ● | ● | ● | ● | ○ | ○ |
阿武咲 | 西前頭5 | 3勝5敗 | ● | ○ | ● | ● | ● | ○ | ○ | ● |
北青鵬 | 東前頭6 | 4勝4敗 | ○ | ● | ● | ○ | ○ | ● | ● | ○ |
王鵬 | 西前頭6 | 3勝5敗 | ● | ○ | ● | ○ | ● | ● | ● | ○ |
高安 | 東前頭7 | 5勝3敗 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ● | ● | ● |
玉鷲 | 西前頭7 | 6勝2敗 | ○ | ● | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ● |
佐田の海 | 東前頭8 | 1勝7敗 | ● | ● | ○ | ● | ● | ● | ● | ● |
錦富士 | 西前頭8 | 4勝4敗 | ○ | ○ | ○ | ● | ● | ● | ○ | ● |
隆の勝 | 東前頭9 | 3勝5敗 | ● | ● | ● | ● | ● | ○ | ○ | ○ |
北勝富士 | 西前頭9 | 7勝1敗 | ○ | ○ | ● | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
金峰山 | 東前頭10 | 4勝4敗 | ● | ○ | ○ | ● | ○ | ○ | ● | ● |
妙義龍 | 西前頭10 | 4勝4敗 | ● | ● | ○ | ● | ○ | ○ | ● | ○ |
琴恵光 | 東前頭11 | 4勝4敗 | ○ | ○ | ● | ○ | ● | ● | ○ | ● |
剣翔 | 西前頭11 | 2勝6敗 | ● | ● | ● | ○ | ● | ● | ● | ○ |
千代翔馬 | 東前頭12 | 5勝3敗 | ○ | ● | ○ | ● | ● | ○ | ○ | ○ |
若隆景 | 西前頭12 | 0勝0敗8休 | や | や | や | や | や | や | や | や |
豪ノ山 | 東前頭13 | 5勝3敗 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ● | ● | ● |
琴勝峰 | 西前頭13 | 3勝5敗 | ● | ○ | ● | ● | ○ | ● | ○ | ● |
大翔鵬 | 東前頭14 | 3勝5敗 | ● | ● | ● | ● | ○ | ○ | ● | ○ |
湘南乃海 | 西前頭14 | 5勝3敗 | ○ | ○ | ● | ○ | ○ | ● | ○ | ● |
竜電 | 東前頭15 | 4勝4敗 | ● | ● | ● | ● | ○ | ○ | ○ | ○ |
宝富士 | 西前頭15 | 6勝2敗 | ○ | ● | ○ | ○ | ● | ○ | ○ | ○ |
遠藤 | 東前頭16 | 6勝2敗 | ○ | ○ | ○ | ● | ○ | ○ | ● | ○ |
武将山 | 西前頭16 | 1勝7敗 | ● | ● | ○ | ● | ● | ● | ● | ● |
碧山 | 東前頭17 | 2勝6敗 | ● | ○ | ● | ○ | ● | ● | ● | ● |
伯桜鵬 | 西前頭17 | 6勝2敗 | ○ | ○ | ● | ○ | ● | ○ | ○ | ○ |
全勝=なし
7勝1敗=豊昇龍、錦木、北勝富士
6勝2敗=大栄翔、若元春、玉鷲、宝富士、遠藤、伯桜鵬
5勝3敗=琴ノ若、高安、千代翔馬、豪ノ山、湘南乃海
十両星取表
四股名 | 番付 | 勝敗 | 初 | 二 | 三 | 四 | 五 | 六 | 七 | 八 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
輝 | 東十両1 | 6勝2敗 | ○ | ● | ○ | ○ | ○ | ○ | ● | ○ |
熱海富士 | 西十両1 | 6勝2敗 | ● | ○ | ○ | ● | □ | ○ | ○ | ○ |
狼雅 | 東十両2 | 4勝4敗 | ● | ● | ● | ○ | ○ | ● | ○ | ○ |
水戸龍 | 西十両2 | 4勝4敗 | ○ | ○ | ● | ○ | ● | ● | ○ | ● |
一山本 | 東十両3 | 0勝6敗2休 | ● | ● | ● | ● | ■ | や | や | ● |
島津海 | 西十両3 | 3勝5敗 | ○ | ○ | ○ | ● | ● | ● | ● | ● |
欧勝馬 | 東十両4 | 4勝4敗 | ○ | ● | ○ | ○ | ● | ● | ● | ○ |
東白龍 | 西十両4 | 4勝4敗 | ● | ● | ○ | ● | ○ | ○ | ○ | ● |
玉正鳳 | 東十両5 | 6勝2敗 | ○ | ○ | ● | ○ | ○ | ○ | ● | ○ |
北の若 | 西十両5 | 5勝3敗 | ● | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ● | ● |
藤青雲 | 東十両6 | 0勝0敗8休 | や | や | や | や | や | や | や | や |
東龍 | 西十両6 | 3勝5敗 | ○ | ● | ● | ● | ○ | ○ | ● | ● |
白鷹山 | 東十両7 | 3勝5敗 | ● | ● | ● | ○ | ● | ● | ○ | ○ |
美ノ海 | 西十両7 | 4勝4敗 | ○ | ○ | ○ | ● | ○ | ● | ● | ● |
貴健斗 | 東十両8 | 3勝5敗 | ● | ○ | ● | ● | ● | ● | ○ | ○ |
天空海 | 西十両8 | 2勝6敗 | ● | ● | ● | ○ | ● | ● | ● | ○ |
大奄美 | 東十両9 | 7勝1敗 | ○ | ● | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
友風 | 西十両9 | 6勝2敗 | ○ | ○ | ○ | ○ | ● | ○ | ● | ○ |
千代栄 | 東十両10 | 5勝3敗 | ● | ○ | ○ | ● | ● | ○ | ○ | ○ |
志摩ノ海 | 西十両10 | 2勝6敗 | ● | ● | ● | ● | ○ | ○ | ● | ● |
千代丸 | 東十両11 | 6勝2敗 | ○ | ○ | ○ | ● | ○ | ○ | ○ | ● |
對馬洋 | 西十両11 | 2勝6敗 | ● | ● | ● | ● | ● | ○ | ○ | ● |
獅司 | 東十両12 | 4勝4敗 | ○ | ● | ○ | ○ | ○ | ● | ● | ● |
英乃海 | 西十両12 | 4勝4敗 | ○ | ○ | ● | ○ | ● | ● | ○ | ● |
輝鵬 | 東十両13 | 5勝3敗 | ● | ○ | ○ | ○ | ● | ● | ○ | ○ |
紫雷 | 西十両13 | 3勝5敗 | ● | ● | ○ | ● | ○ | ○ | ● | ● |
勇磨 | 東十両14 | 2勝6敗 | ○ | ○ | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
千代の海 | 西十両14 | 3勝5敗 | ● | ● | ● | ● | ○ | ● | ○ | ○ |
全勝=なし
7勝1敗=大奄美
6勝2敗=輝、熱海富士、玉正鳳、友風、千代丸
前半戦の結果と今後の展望
横綱・大関は怪我で総崩れ
上位陣が奮闘した五月場所の記憶も新しく、改めて上位陣の活躍が期待された七月場所。
場所直前から序盤にかけて、横綱・大関の怪我による休場という大きな波乱が起きました。
まず大関・貴景勝が持病の膝の怪我で稽古すらできない状況が続いており、休場。来場所はカド番です。
次に、今場所での活躍が期待された新大関・霧島が「肋骨の痛み」を訴え、初日から休場。
4日目から出場していますが、場所前の期待ほどの結果は出せていません。まだ痛みを我慢しているのでしょうか。
そして、連覇がかかっていた横綱・照ノ富士は3日目・翔猿との荒れた相撲で腰を痛め、4日目から休場。
このように、横綱・大関は2人が休場、1人が手負いという残念な状況になってしまいました。
照ノ富士=横綱・照ノ富士が休場、ヘルニアなどで1か月間の安静…師匠「とりあえず痛みを取らないと」
貴景勝=貴景勝が休場、秋場所はカド番…師匠「ぶっつけ本番で取れるほど相撲は甘くない
霧島休場=初日に休場の新大関・霧島、1年以上前からの痛みが悪化「痛くて動けない」
霧島出場=4日目から出場の霧島 “新大関初戦”は琴ノ若との一番
土俵を引っ張る三関脇
横綱・大関陣に代わって土俵を引っ張るのは、大関取りを目指す三関脇。豊昇龍、大栄翔、若元春
史上初のトリプル大関取りと言われ続けたプレッシャーを跳ね返すように、先場所の好調を維持しています。
大関昇進の目安となる33勝には、残り7日で大栄翔と豊昇龍が5勝2敗以上、若元春が6勝1敗以上で到達。
場所前から序盤にかけては「33勝は単なる目安」「32勝で上げてもいい」などの声が上がっていましたが、
中日を終わってみれば横綱・大関は休場または不調な状況。なおさら好成績を挙げなければ昇進が難しいと考えられます。
このまま勝ち進んで、優勝争いを先導することができるかどうか、大関取りを達成できるかどうか、注目です。
絶好調!幕内筆頭の錦木
33歳のベテラン、幕内筆頭の錦木は、初日に不戦勝ののち2日目の横綱・照ノ富士戦で久々の金星。
すると、連日の三役以上との対戦で相手を次々と撃破。初日から6連勝、先場所からの14連勝を達成します。
迎えた7日目の小結・琴ノ若ではあっさりもろ差しを許して寄り切りで負け。三役以上からの全勝はなりませんでした。
それでも続く8日目は気持ちを切り替え、翔猿を振り回して押し出しで勝ち。腰の重さが際立っています。
中日を終えて勝ち越しまであと一つとし、三賞はほぼ確実、三役昇進も目前に迫っています。もちろん優勝争いにも目が離せません。
一進一退の小結・琴ノ若と阿炎
小結・琴ノ若は5勝3敗、阿炎は4勝4敗と小結としてはまずまず。
それぞれ腰の重さ、素早い突き押しという持ち味を生かしてはいますが、相手もなかなか勝たせてはくれません。
小結四場所目の琴ノ若、小結復帰場所の阿炎はまず勝ち越して三役を守り、
さらに進んで琴ノ若は新関脇、阿炎は再関脇を目指したい。
朝乃山は怪我で休場
自身の行動で6場所休場から復帰し、今場所の番付を前頭4枚目まで戻した朝乃山。今場所の活躍が注目されていました。
星取りは元大関らしい強さを見せ、6日目まで4勝2敗。しかし7日目に大関取りの関脇・豊昇龍に上手投げで敗れました。
この際、投げをこらえて腕を痛めたらしく、8日目から休場。再出場はない見込みです。
朝乃山休場=朝乃山休場、腕を負傷 再出場は慎重姿勢
押し相撲の玉鷲が寄り切り4連発!
38歳のベテラン、前頭7枚目の玉鷲が意外な取り口を見せました。
玉鷲は押し相撲が自身の持ち味で、直近では決まり手の約半数が押し出しです。(※日本相撲協会公式サイトによる)
しかし、4日目から7日目まで自身初となる4日連続での寄り切りによる勝利を手にしました。
年齢を感じさせない成長の余白を感じさせるところが玉鷲の魅力の一つかもしれません。
好調北勝富士は上位との対戦も
前頭9枚目の北勝富士が好調です。
3日目の錦富士戦こそあっさり叩き込みで敗れるも、連日腰の重さを生かして白星を重ね、
中日8日目時点で7勝1敗と幕内最高優勝争いのトップタイ。
このまま好調が続けば、上位との対戦も見られるかもしれません。
幕内下位を盛り上げる新入幕の豪ノ山、湘南乃海、伯桜鵬
場所前から注目されていた新入幕の豪ノ山(前頭13枚目)、湘南乃海(前頭14枚目)、伯桜鵬(前頭17枚目)。
伯桜鵬は6勝2敗、豪ノ山と湘南乃海は5勝3敗と、数字上はもちろん内容面でも魅力ある相撲を取り、幕内下位を盛り上げています。
三人の直接対決は、豪ノ山-湘南乃海は湘南乃海の勝ち、豪ノ山-伯桜鵬は伯桜鵬の勝ち、湘南乃海-伯桜鵬は伯桜鵬の勝ち。
伯桜鵬が2勝、湘南乃海が1勝1敗、豪ノ山が2敗で、番付とは逆の結果になりました。
特に伯桜鵬は先場所豪ノ山に2回敗れており、今回雪辱を果たした形です。
この三人は、今場所はもちろん、来場所以降も幕内を盛り上げてほしいと思います。
十両トピック
今場所の十両は、先場所の派手な優勝争いとは無縁の、勝ったり負けたりの地道な相撲内容が続いているように感じられます。
その中で心配なのが、今場所十両に番付を下げている一山本。
初日から白星が出ないまま、5日目から左膝の怪我で休場。そのままでは幕下降下の可能性が高かったところ、
8日目から再出場し十両残留に可能性をかけることになりました。8日目は幕内・竜電との対戦が組まれ、黒星。
再出場したことを後悔しない結果を残せるかどうか、心配しています。
一山本=一山本が再出場 13日から日本相撲協会へ診断書を提出し休場も幕下陥落の可能性を回避へ
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