令和五年七月場所・大関昇進、十両昇進と夏巡業休場者

2023年7月29日

このページでは、令和五年七月場所(名古屋場所)の結果による大関昇進、十両昇進と、続く夏巡業の休場者について書きました。

令和五年七月場所(名古屋場所)を終えて

豊昇龍が大関昇進

日本相撲協会は2023年7月26日、令和五年九月場所(秋場所)の番付編成会議と臨時理事会を開き、関脇・豊昇龍の大関昇進を満場一致で決めました。
名古屋市南区の立浪部屋宿舎で開かれた伝達式では、協会の使者が昇進を伝えると、
豊昇龍は「大関の名を汚さぬよう、 気魄一閃(きはくいっせん)の精神で努力いたします」と口上を述べました。

豊昇龍は平成11年5月22日生まれ、モンゴル・ウランバートル出身の24歳。
2018年初場所が初土俵で、2019年11月に新十両、2020年9月場所に新入幕。
新三役は2022年3月場所で、以来陥落することなく小結3場所、関脇6場所を連続して務めてきました。
三役通算9場所を含む直近10場所連続で勝ち越しており、上位で安定した勝ち星を挙げてきた実力者です。

「自分の型がない」と言われ続けてきたものの、四つ・寄り・投げと多彩な技の切れ味で対戦相手を翻弄してきました。
直近の90取組では60勝(うち不戦2)という好成績を挙げています。決まり手の上位は寄り切り、上手投げ、押し出しで、とくに投げの巧さが特徴的です。
三賞は技能賞を2回受賞しており、加えて今場所で敢闘賞を初受賞。幕内優勝は今場所が初めてです。

新大関の誕生は、令和五年五月場所(夏場所)後の霧島から2場所連続。モンゴル出身として7人目の大関です。
これまでモンゴル出身の大関はすべて横綱に昇進しているだけに、今後の活躍に期待がかかります。

豊昇龍は、伝達式が行われた7月26日当日から新大関として扱われます。

参考:大関昇進の豊昇龍「気魄一閃の精神で努力いたします」…秋場所は1横綱3大関に(読売)

十両昇進は5人、新十両4人と再十両1人

日本相撲協会は2023年7月26日、令和五年九月場所(秋場所)の番付編成会議を開き、5人の十両昇進を発表しました。。
うち新十両は4人、再十両は一人です。

新・再七月場所
番付
四股名
よみ
部屋
出身地
旧四股名
新十両東幕下3大の里
おおのさと
二所ノ関部屋
石川県
新十両西幕下3天照鵬
てんしょうほう
宮城野部屋
三重県
向中野
新十両西幕下4高橋
たかはし
二所ノ関部屋
福島県
新十両東幕下5朝紅龍
あさこうりゅう
高砂部屋
大阪府
石崎
再十両東幕下1時疾風
ときはやて
時津風部屋
宮城県

大の里は石川県津幡町出身の23歳。
相撲の強豪の日体大時代に全日本相撲選手権で2年連続優勝(アマチュア横綱)し、大学卒業後の令和五年年五月場所で幕下10枚目格付出で初土俵。
五月場所では6勝1敗で、七月場所は幕下3枚目で相撲を取り4勝3敗の勝ち越しで、初土俵から所要2場所での十両昇進を果たしました。

天照鵬は三重県伊勢市出身の20歳。
相撲の強豪、鳥取城北高校から入門し、令和三年五月場所が初土俵。
序ノ口から相撲を取り、4場所目の令和四年一月場所で三段目優勝。
その後も順調に番付を上げ、七月場所では幕下3枚目で4勝3敗と勝ち越しました。
改名した四股名の由来は、出身地の伊勢神宮にまつられている「天照大神」。

高橋は福島県須賀川市出身の24歳。
令和四年七月場所の初土俵では6勝1敗で序ノ口優勝、次いで令和四年九月場所では7勝全勝で序二段優勝。
その後も負け越すことなく番付を上げ、初土俵から7場所目の七月場所では幕下4枚目で5勝2敗。
初土俵から所要8場所での十両昇進は、年6場所制になった昭和33年以降で歴代7位(幕下付出を除く)のスピード出世です。

石崎改め朝紅龍は大阪府四條畷市出身の24歳。
大学卒業後に三段目100枚格付出で初土俵を踏み、その場所で三段目優勝。
腰のけがの影響などで幕下にとどまっていましたが、七月場所では幕下5枚目で5勝2敗とし十両昇進を決めました。
改名した四股名は父親が決めてくれたといいます。

再十両の時疾風は宮城県栗原市出身の26歳。
初土俵は平成三十一年三月場所。同じ年の令和元年七月場所では7勝全勝で序二段優勝しましたが、しばらく幕下で停滞。
令和五年三月場所では幕下3枚目で勝ち越し十両昇進を果たしましたが、迎えた五月場所では十両14枚目で6勝9敗と負け越し、1場所で十両陥落。
七月場所では幕下筆頭で相撲を取り7勝全勝で幕下優勝。最高の結果で十両復帰をかなえました。

なお、新十両・再十両の発表は、関取となるための準備を要するための配慮に基づくもので、正式に関取扱いになるのは九月場所の番付発表当日からです。

発表:新十両力士一覧(日本相撲協会)
参考;「アマチュア横綱」大の里ら 4人が新十両昇進へ 番付編成会議(NHK)
参考:デビュー2場所の元アマチュア横綱・大の里、向中野改め天照鵬ら4人が新十両に昇進 時疾風は1場所で再十両

令和五年夏巡業は8人が休場

日本相撲協会は2023年7月27日、今月29日から行われる夏巡業の休場者を発表しました。

大関・貴景勝、関脇・大栄翔、平幕の平戸海、錦富士、若隆景、遠藤、武将山、伯桜鵬の8人が休場。
うち貴景勝は8月6日の宮城県仙台市の巡業から参加する予定です。

これにより、十両から輝、熱海富士、北の若、千代栄、千代丸、獅司、千代の海が参加することになりました。

名古屋場所を休場した横綱・照ノ富士は巡業初日から参加します。
初日となった愛知県豊田市の巡業の取組表によれば、横綱土俵入りは行うものの、取組には参加しなかった模様です。

夏巡業は7月29日の愛知県豊田市を皮切りに、東北・北海道・北陸地方を中心に8月27日の富山県氷見市まで18箇所で開催されます。

参考:夏巡業は大関貴景勝や新入幕の伯桜鵬ら8人が休場 名古屋途中休場の照ノ富士は初日から参加(日刊スポーツ)

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