3分でわかる能楽(能・狂言)

2023年8月21日

【更新日】2024年2月24日

能と能楽の違いって?能と狂言の違いは?
能楽(能・狂言)に関する疑問や質問をQ&A形式でざっくり解説します。

Q.能楽って何?

A.室町時代に生まれた伝統演劇のことです。

能楽とは、約600~700年前に生まれた日本の伝統演劇の一つです。
大陸から伝来した「散楽」(さんがく)や「田楽」(でんがく)が次第に日本に根付く過程で発展し、室町時代に一応の完成をとげます。
そして、江戸時代に江戸幕府のもとで台本や演出が完成され、現在に至ります。

Q.能と能楽の違いは?

A.能は能楽の一部です。

能楽とは、能と狂言をあわせた言い方で、つまり能は能楽の一部です。
このように名前が入れ子になった理由は、明治時代まで「能楽」は「猿楽」と呼ばれていたからです。
つまり、「猿楽」の「能」と「狂言」だったので誤解されることはありませんでした。
「猿楽」という言い方が「能楽」に置き換わったのは、「猿」という文字や表現が望ましくないと考えられたためです。

Q.能と狂言の違いは?

A.能は音楽に合わせて謡って舞い、狂言は音楽がなくても演じます。

能は、舞台後方に控える太鼓や鼓、笛にあわせて謡(うた)ったり、舞うことで演じます。謡いと舞いによって演じることが能の特色です。
それに対し狂言は、言葉で対話するセリフ劇です。伴奏音楽がないこと、笑いやおかしみの要素があることが狂言の特色ですが、
伴奏音楽が入ったり、笑いの要素が無く真剣に演じる演目もあります。

Q.能楽はどうやったら観られるの?

A.常設の能楽堂や能舞台で演じるのが原則ですが、特設舞台が設けられるイベントもあります。

現在の能は、能楽堂のなかの能舞台で演じられるものが大半です。
江戸時代までは屋外に能楽堂が設置されていましたが(現在でも残っています)、
明治時代に能舞台を大きな建物にすっぽり納めた能楽堂が建設されるようになると、そちらでの公演が主流になりました。
主に夏には、屋外に特設の能舞台を設置して、周りが暗い中で演じる「薪能」(たきぎのう)という催しが行われます。
一般の演劇を上演する舞台に、仮説の能舞台を設置して公演することもあります。
チケットは劇場や主催者から事前に購入するのが基本です。当日券が用意されることもあります。

Q.ドレスコードが不安なのですが。

A.普段着の人がほとんどです。

能楽を見に行く服装を迷う方もいらっしゃるようですが、能楽堂で能楽を鑑賞される方のうちほとんどは普段着です。
能楽を習っている先生の公演を勉強のためにご覧になる方も多く、その場合は一層カジュアルな服装になります。
日本の伝統芸能の中ではもっとも古い部類に入りますが、その一方で普段着に近い芸能といえると思います。

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