2023年7月答申「人間国宝」新規認定

2023年7月23日

文化審議会は2023年7月21日、重要無形文化財保持者(人間国宝)に12人を認定するよう文部科学大臣に答申しました。
答申の内容は今後そのまま告示され、認定されます。今回の認定で、人間国宝は109人になります。
文化審議会の答申(重要無形文化財の指定及び保持者の認定等)

人間国宝の12人認定

文化庁の報道発表によれば、今回「人間国宝」(重要無形文化財保持者)に認定されるのは次の12人です。

分野芸名/雅号本名
古典落語五街道雲助
ごかいどう・くもすけ
若林恒夫
わかばやし・つねお
能シテ方金剛永謹
こんごう・ひさのり
金剛永謹
こんごう・ひさのり
能ワキ方宝生欣哉
ほうしょう・きんや
寳生欣哉
ほうしょう・きんや
狂言茂山七五三
しげやま・しめ
茂山眞吾
しげやま・しんご
人形浄瑠璃文楽人形吉田玉男
よしだ・たまお
大西彰
おおにし・あきら
歌舞伎脇役中村歌六
なかむら・かろく
小川進一
おがわ・しんいち
宮薗節三味線
みやぞのぶししゃみせん
宮薗千佳寿弥
みやぞの・せんかずや
山田和代
やまだ・かずよ
琉球古典音楽
りゅうきゅうこてんおんがく
大湾清之
おおわん・きよゆき
大湾清之
おおわん・きよゆき
首里の織物
しゅりのおりもの
祝嶺恭子
しゅくみね・きょうこ
祝嶺恭子
しゅくみね・きょうこ
長板中形
ながいたちゅうがた
松原伸生
まつばら・のぶお
松原伸生
まつばら・のぶお
木工芸
もくこうげい
宮本貞治
みやもと・ていじ
宮本貞治
みやもと・ていじ
竹工芸
ちくこうげい
藤塚松星
ふじつか・しょうせい
藤塚洋史
ふじつか・ひろし

このうち古典落語は、柳家小三治さんが2021年に亡くなってから指定が解除されており、
五街道雲助さんが認定されることにより約2年ぶりの指定となります。

日本舞踊の文化財指定・総合認定

今回の答申で特徴的なのは、「日本舞踊」の重要無形文化財指定と総合認定(56名)です。
特定の芸能分野が総合認定されるのは、2014年の「清元節」、2017年の「長唄」に続くものです。
これまでも各個認定(人間国宝)により指定してきた芸能分野も広く包括する形で総合認定する流れには、
伝統芸能が正しく継承されることへの強い危機感があるとみられます。

国や各団体においては、関係人口の低迷を食い止める方策の検討・実施や
文化財の正しい継承・発展への具体的な取り組みが求められます。

今回重要無形文化財(保持者)に認定される個人・団体のプロフィール等は、文化庁の報道発表資料や報道記事をご覧ください。
文化審議会の答申(重要無形文化財の指定及び保持者の認定等) 別紙Ⅱ.解説(文化庁)
人間国宝に落語の五街道雲助さん、歌舞伎脇役の中村歌六さんら12人(読売)
人間国宝に12氏 古典落語の五街道雲助さんら 文化審議会が答申(朝日)
高みに挑み、文楽を未来へつなぐ 人間国宝に文楽人形遣い・吉田玉男さん(産経)
人間国宝に祝嶺恭子さん(首里の織物)、大湾清之さん(琉球古典音楽) 文化審議会が答申(琉球新報)
人間国宝認定にも、あくまで自然体の五街道雲助(スポニチ)

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